給与問題に終止符を打つ!! ~「評価」ではなく「分配」のススメ~

10月は決算発表が多い時期ですね、皆さんいかがおすごしでしょうか。
こういった時期は、ネット上でなんやかんや給与問題が取り沙汰されがちかと思います。

ということで、今朝ふと思ったことを書いていきたいと思います。*1

最初のまとめ

評価=給与ではない。
給与は個人の実績を評価して決められる。と同時に会社の状況を踏まえて決められている。
しかし、評価から給与決定の一連の流れというのは、個人の実績のみが考慮する対象だと思われている。*2

ここが多くの問題を引き起こす原因だと思う。

そこで、給与決定に関しては「評価」という個へのフォーカスになりそうな言葉を使わずに、「分配」という組織全体にフォーカスする言葉に変えて運用してはどうか?
という提案である。*3

採用要項に書く場合

「半期に一度、利益の分配計画としての人事評価があります。」みたいな感じですかね。(あ、評価って使っちゃった。)

給与に対して3倍稼ぐ必要がある

そうでないと、会社が赤字*4になります。

会社を運営するにあたって様々な費用が必要になってきます。
社員に給与を渡すだけでなく年金や社会保険などの福利厚生の費用も支払っていたりします。
もちろん、直接売上を上げる部門ばかりではありませんから間接部門の方も含めてになります。
他に、会社のPCや文房具などの設備、賃料や光熱費など、今後の投資への費用も必要です。
また、利益が出ない期間があったとしても給与を払えるよう余剰も必要でしょう。

そういった費用が積み重なった結果がだいたい給与の3倍だと言われています。

自分の組織の売上、利益を知っていますか?

給与から組織の方針が見えてくる

良い評価も成長もちゃんとしている

冒頭にも書きましたが、評価=給与ではないと思っています。

例えば、評価していても昇給できない時もあるし、昇給があったからといって評価が良かったわけでもない時もある。*5

そして、こうも言えると思う。
成長=昇給ではないということだ。
成長したからといって売上がどれだけあがったのだろうか考えてみてほしい。

だから、昇給されないからといって評価について落ち込む必要はないし成長していないわけでもない。

もし昇給されないなら、会社の利益が出ていないかブラックなだけだ。

利益が無くても昇給を求めたって良い

「利益がなければ昇給は求めるな?」そんなことはない、昇給を求めてもよいと思う。
生活を豊かにする方法としてごく自然なことだと思う。*6
そして、昇給は組織が自分の成果をわかりやすく表現する方法でもあると思う。
要求と同時に自分の組織への成果がいかほどであるかを伝えるようにしよう。

利益が無くても昇給する場合もある

投資としての昇給だ。
売上げがなくとも会社の投資として昇給をする場合もある。*7

特に、経験的に若手の場合は給与が賄えるだけの売上がたたない場合もある。
それは、将来の成果に対しての投資と一定の給与によって社員の生活を守るためでもある。

給与は組織に寄って変化する

自分の給与が、他組織、他者と比較して高いまたは低い。

それは組織の判断であり、方針である。

利益があろうがなかろうが。
能動的に働こうが受動的に働こうが。
業界内の需要と共有の関係もあるだろう。

個人としての能力の有無で判断されているわけではない。
組織の方針に合致した成果を出しているかどうかだと思う。*8*9

昇給が無いことは評価される側だけでなく、する側も辛いことである

「給与が上がらない!!生活豊かにならない!辛い!!」という思いもあるでしょうが、
評価する側としても「評価しているけれど今はスマン昇給させられない!!金が無いんだ!けど、成功する事業だと思っている一緒に頑張ってくれ!!」*10という気持ちもあると思う。

共に働く者同士だもの互いに幸せがいいじゃない。

互いに認めあえる関係性であるかどうかで認識は変わるのでしょう。*11

誰もがステークホルダー

「じゃあ売上がある組織にいるほうがいいじゃないか。」「利益をあげることだけ考えていればいいのか?」*12
自分の所属する組織の方針だ、良いか悪いかは自分で考えて行動するしか無い。*13
その時は、異動でも転職でもいいし、引き続き組織で利益が増えるよう行動するようにしてもよい。
はたまた、評価と給与制度の見直しに挑戦するのもいいかもしれない。

共に働くのであれば、評価する側も評価される側も責任を持って判断しなければいけない。

「評価」から「分配」へ*14

給与を決める場合には、個としての「評価」で行うのを止めて、
売上から会社の費用差っ引いて、「分配」という形で行ったらいいのではないか?

じゃあ一律に分配するのか?というとそれもどうかとは思うので、組織内の責任の上下とか能力差も考慮するとよい。
それから貢献度*15とか、それらの具合でちょっと割合いじって分配すればいい。
その結果、昇給になることもあれば、減給になることもあるだろう。

ついでに、関係者が全員見える形でやれば納得感も出るのではないか?*16
「利益出てるのに給与あげない組織かよ。」とか「給与上げすぎると会社立ち行かなくなっちゃう。」とかわかるじゃん。

なので、給与を決める場合は「分配」をオススメしたいと思います。

最後のまとめ

言葉変えただけでやってることは変わらない。
給与に対しても、組織への関わり方にしても、当事者が「何を大事にするか」だと思います。

おまけ

おまけ1

確か、ティール組織の思想を採用したとこなどで、自分の給与を決めたりするところってありましたよね?

おまけ2

内部留保吐き出せという話もあるんでしょうけれどね。
「企業の内部留保、過去最高446兆円 17年度法人企業統計」
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL03HS5_T00C18A9000000/

おまけ3

給与交渉は評価のタイミングではなくて、目標設定のタイミングですべきだと思う。
そして、評価する側が必ず「個人の実績だけではなく会社の状況も踏まえて評価することになる」ということを伝えるべき。

おまけ4

「好きなことやってるから給与が低くても良い。」というのは無い。「給与良くして好きなことをよりやれるようにする。」が良いと思います。

*1:マネジメントの目線に寄りすぎていたらご容赦を、不勉強なところもあるのでツッコミ歓迎

*2:気がする…自分の印象として…。

*3:言葉の定義についても自分の印象ですけれどね!!

*4:IT系だと利益率高い傾向だったりもするので少し良化しますかね。

*5:売上げいいから全体のベースアップなど。多くの場合はボーナスですかね。

*6:一般的な意見として

*7:自分が駆け出しの頃、上司自身の給与を削ってでも部下の給与を確保しようとしてくれる人がいたなぁ。それがいいかどうかはまたあるのでしょうが。

*8:どこの組織にも認められないなら、個人としての能力がないということもあるかもしれませんね!(泣笑)。

*9:組織の見る目がない、方針が悪い。ということもあると思います。

*10:長いな…。

*11:そんなことお構いなしな人間もいるので注意は必要だろうけどね。

*12:そんな事を言い出したら世も末だよ、そういうものは好きじゃない。

*13:多くの人が方針の合う組織に居られることを願う。

*14:疲れてきた…

*15:ラッキーパンチでもいいし。

*16:組織であるなら透明性が大切。